伝統工芸・九谷焼。その原石採石場として、花坂は知る人ぞ知る九谷焼の原点の地であり、日本有数の陶石山「花坂陶石山」
九谷焼をつくる粘土の原料である陶石の採掘場です。
一般的には南加賀でつくられる色絵磁器を「九谷焼」と呼んでいるが、専門家の中には「花坂の原石を使わないと九谷焼ではない。真の九谷焼とは、ここの陶石を使って、九谷の絵の具や方法で絵付けをし、九谷の窯で焼いたものなのだ」という意見もあるほど。
花坂陶石山から採られた岩を砕き、粘土質を混ぜて杯土をつくり、成形、本焼き、絵付けへと進められて九谷焼が出来上がる。
実際に採石場に行くと、そこにあるのは茶色の石ばかり。
そのままだと絵付けの際に邪魔にならないかと危惧するところですが、茶色はチタンや鉄分が含まれている証なので、そこに松の薪を焚いて還元焼成しながら登り窯で焼き上げると、白っぽく焼きあがり、絵付けの工程へと進めるのだそうです。
ここに来るだけで、九谷焼の奥深さと原点を感じとれる場所です。
事前に連絡をすると採石場の見学も可能です。