イ草の原産地はインドであり、シルクロードから朝鮮半島を経て日本に伝わったとされています。
小松では江戸時代からイ草生産が盛んになり、伝統産業の一つとなりました。昭和30年代には小松に1400軒もの農家がいたそうです。
しかし、生活様式の変化や度重なる豪雪などの多様な要因が重なり、現在小松イ草の栽培農家は、白江町の宮本農産1軒のみとなりましたが、小松イ草を次の時代へと繋げるために戦い続けています。
畳に使われるイ草の多くは、熊本や福岡など、温暖な地域で栽培されています。
小松市は国内イ草産地の北限であり、唯一の日本海側の産地です。
秋に植えられたイ草は、冬には雪が厚く積もり、冷たい雪の下でじっと春を待つことになります。
この厳しい環境を乗り越えて育つからこそ、小松のイ草は表皮が固く丈夫に育つのです。
今回の展示では、この上質な小松イ草を宮本農産さまご協力の元、香りが溢れる程ふんだんに使用しています。
ぜひ作品といっしょに上質なイ草が醸し出す空間をお楽しみください。